映文連アワード2023グランプリ受賞「人知れず表現する者たちⅣ」

西村一成の圧倒的な創作生活に迫った単独ドキュメンタリー

ETV特集「人知れず表現し続ける者たちⅣ」(2023年3月放映、プラネタフィルム制作/伊勢朋矢撮影)が、映文連主催の「映文連アワード2023」にてグランプリを受賞しました。

■最優秀作品賞(グランプリ)
人知れず表現し続ける者たちⅣⅣ(59 分)
「映文連アワード2023 」受賞主要作品紹介
製作:プラネタフィルム株式会社/株式会社NHK エデュケーショナル/NHK
プロデューサー:村井晶子、牧野 望、鶴谷邦顕プロデューサー・ディレクター・カメラマン:伊勢朋矢編集:太田一生作曲:ロケット・マツ
【作品概要】 誰のためでもなく独創的な創作を続けるアーティストを記録したノーナレーションドキュメンタリー。自宅にこもり描き続ける男の「表現」と「生き様」を見つめる。西村一成が描き始めたのは19 歳のとき。家族以外誰も見たことのない創作現場にディレクターが単身で入り込み、西村一成の1 年を記録した。孤高の画家による圧倒的な表現は「アートとは何か?」「生きるとは?」と観ている者に問いかける。BS4K 版。
【選考経緯】 独創的な絵を描き続ける画家・西村一成氏の創作現場に伊勢朋矢ディレクターが単身で入り込み、個展までの1年間を記録したドキュメンタリー。西村氏は学生時代に初期分裂症を発病し、自分の内面をノートに書き記し、独学で絵画を制作してきた。その点数は膨大な数に及ぶ。取材対象をそのまま受け入れ、寄り添う伊勢ディレクターの距離感がよく、画家自身や家族(母親の純子さん)から率直な言葉を引き出し、愛猫・ちくらとの優しい日々を切り取った。形象や線、色彩が交錯し、「僕は怪獣」だとも言う西村氏の絵画を自然の中に置くと強烈な存在感を放つ。絵を描くことと、生きることとが不可分に結びついた画家の日常から「アートとは何か」「人が生きるとは何か」を考えさせられる作品となった。

引用(英文連 受賞主要作品紹介

英語版 ”Blues from the Obscure ” はNHK WORLD PRIMEより視聴可能

コーディネイト展のお知らせ

「コーディネイト展」

名古屋・栄の眼鏡店VERGENCE(ヴァ―ジェンス)にて

2023年8~9月中 12点の作品展示
2023年8月~12月中に会期が延長されました。
一部作品入れ替えも行います。

〒460-0008 名古屋市中区栄3-22-6
TEL 052-264-7003

https://www.vergence.co.jp/


西村一成(いっせい)は、自身の破片として独白記のごとく日々絵画を制作するセルフトート(独学)の突出した画家として、今や世界的に知られている。人間の生・性・悦・鬱と直に向き合いながら、創造の一瞬のチャンスを逃さず、表現の本質をつかみ取る。その本能的な作品には、彼の極めてセンシティブな精神の震えが直接的に流露している。感情→行為→物質のオブジェと化した絵画は「生のままの芸術」の衝撃だ。絶え間なく押し寄せて来るリアクション=クリエイションの波動を全身全霊で受け止め、画家は今日も描き続けている。

2023年春には、この孤高の画家による圧倒的な創作生活に迫った単独ドキュメンタリー「人知れず表現し続ける者たちⅣ」(NHKEテレ1時間)がテレビ放映され、大きな注目を集めた。今後映画化も予定されている。

【略歴】

1978年愛知県生まれ。名古屋市在住。もともと音楽の道を志していたが、ニ十歳の頃から独学で絵画制作に没頭するようになる。2007年以降、シェル美術賞、池田満寿夫記念芸術賞、宮本三郎記念デッサン大賞展、あいちアーツチャレンジ、トーキョーワンダーウォール公募、FACE損保ジャパン日本興亜美術賞などに入選・入賞。国際展では、18-19年「ArtBrut du Japon,Un Autre Regard」(ローザンヌ)に選抜。20年には「Painting the Japanese Blues」でニューヨークにて海外初個展を行った。11年以降京都のギャルリー宮脇で個展10回、15年以降は地元名古屋のHEART FIELD GALLERYでも個展発表を行っている。作品は、京都市美術館、スイスのCollection de l’ArtBrut、また国内外個人コレクターに収集されている。