西村一成 映画『かいじゅう』京都・出町座上映記念特別展

西村一成ドキュメンタリー映画『かいじゅう』京都・出町座上映を記念しまして、ギャルリー宮脇にて上映記念特別展が開催されます。

2024年12月13日(金)~12月28日(土)午後1時~6時 無休
京都・ギャルリー宮脇
https://www.hekinan-kanko.jp/highlight/detail/41/
〒604-0915 京都市中京区寺町通二条上ル東側
TEL 075-231-2321 FAX 075-231-2322


関連イベントも開催されています。お見逃しなく!

●記念イベント1
12月13日|金 午後4時~ ギャラリートーク 【参加自由】
出演・伊勢朋矢(映画『かいじゅう』監督) 仲野泰生(京都場館長・元岡本太郎美術館学芸員)
伊勢朋矢監督は自らカメラを担いで一人で一年間アトリエに通い、西村一成が絵を描き、眠り、タバコを燻らせ、ギターを弾く描く日々を撮影した。いわば映画『かいじゅう』は、誰も見たことがなかった伊勢監督しか知らない西村一成の日常のドキュメンタリーだ。西村一成の展覧会を企画し、アトリエも訪ね、評論も行っている仲野泰生氏との対談で、西村一成芸術創造の現場と背景について語らう。

●記念イベント2
12月25日(水)午後3時~ ”かいじゅう西村一成の膨大な音源コンサート”
ナビゲーター: いしいしんじ(作家) 【予約制・定員30名・参加費1000円】
※ 電話(留守伝言対応あり)、メールでお名前・連絡先・人数をお申し込みください。必ず確認のご返信を差し上げます。
→ TEL 075-231-2321 メール info(a) galerie-miyawaki.com
※ 本イベントは西村一成が自家録音した秘蔵の音源を聴く会です。本人は登場しません。
もともと音楽の道を志していた西村一成はギターを中心に様々な楽器を手掛け、絵画と並行して膨大な数の音源を自宅録音してきた。西村一成はとりわけブルースやフリージャズに通じており、その音源は様々の楽器が囁くようにつま弾かれるミニマルなサウンドから強烈なグルーヴの爆音エレキギターや、環境音と自身の呟き声・動物的唸りを延々と収録したようなものまであり、即興的・実験的な音源が含まれる。絵画と違って西村一成のこれら音源作品は未発表のまま蓄積されていた。今回、作家のいしいしんじがこの音世界冒険のナビゲーターをつとめ、ミュージシャンとしての西村一成の創造が初めて紹介される。

●京都・出町座 映画『かいじゅう』上映
京都 出町座にて
https://demachiza.com/movies/16336

《上映時間》
12/13(金)〜12/19(木)11:50-(13:35終)
12/20(金)~12/26(木)9:35-(11:21終)*本編は9:40開始となります。

《舞台挨拶》
12/13(金)11:50-の回
登壇:伊勢朋矢監督
*本編上映後に舞台挨拶を行います。
*実施1週間前(12/6)から電話予約を受付。券売と座席指定は当日先着順。

西村一成ドキュメンタリー映画「かいじゅう」京都上映

映画『かいじゅう』京都での上映が始まりました!
誰も入ったことない画家・西村一成のアトリエに、監督ひとりで一年間通い、
カメラを回し続け、誰も見たことのなかった画家の創造と知られざるその半生を映した渾身作。

監督・撮影:伊勢朋矢
出演:西村一成
音楽:ロケット・マツ(パスカルズ)

●京都 出町座にて
https://demachiza.com/movies/16336http://www.cinemaskhole.co.jp/cinema/html/

《上映時間》
12/13(金)〜12/19(木)11:50-(13:35終)
12/20(金)~12/26(木)9:35-(11:21終)*本編は9:40開始となります。

《舞台挨拶》
12/13(金)11:50-の回
登壇:伊勢朋矢監督
*本編上映後に舞台挨拶を行います。
*実施1週間前(12/6)から電話予約を受付。券売と座席指定は当日先着順。

どうぞ、お見逃しなく!!

*映画「かいじゅう」公式Instagra
kaiju_artmovie
https://www.instagram.com/p/C6LhUgSv5wj/

COMMENT

一成さんと僕が初めて会ったとき「午前中なら調子がいいから、大丈夫かもしれない」と一成さんは言った。夕方は苦手らしい。不安になるという。だから最初は「午前中の1時間くらいだけ撮影しましょうか。無理して絵を描かなくてもいいですよ」そんな約束をして別れた。
撮影初日、一成さんは絵を描かなかった。ただお互いの好きな音楽の話をした。僕も音楽は好きだが、一成さんはさらにマニアックだった。その日は気に入ったCDを1枚借りて帰った。帰りがけ「次はいつ来るの?」と一成さんが言った。2週間後にまた来る約束をして、その日は帰った。
2週間後。朝カメラを持って訪ねると、一成さんは縁側でタバコを吸っていた。猫の“ちくら”は一成さんの側でじっとしながら「なんだコイツ」と僕を見ている。一成さんはふぅーっとタバコの煙を吐くと、立ち上がり耳栓をしてから、巨大なキャンバスの前にゆっくりと歩いていった。そしてキャンバスの前に立ち止まると、長い間黙って宙を見つめている。「何が起きるのだろうか?」突如、一成さんが絵筆を握り立ち上がる。唸り声を上げながら、アクリル絵の具をたっぷりとつけた筆をキャンバスに叩きつける。なんだかわからない模様がキャンバスに現れる。一成さんは唸り声を上げて、何度も何度も絵筆を振るう。夢中になって撮影していると… いつのまにか、キャンバスには「顔」のようなものが浮かびあがり、その目は僕をじっと見つめていた。「お前が俺を撮るように、俺もお前を見ているぞ」と言っているようだった。一成さんが家族以外に創作の現場を見せたのは、この日が初めてだったという。
あれから1年、僕は西村家に通い続けた。午前中1時間だけの撮影は、2時間3時間…と伸びていった。2泊3日で撮影したこともあった。カメラはただただ回り続け、西村一成の日常は1本の映画になった。映画のタイトルは一成さんの甥っ子がつけたあだ名にした。

監督 伊勢朋矢


ISSEI画伯と伊勢監督の二人が、
深海へ潜るように心を通わせている。

片耳がちぎれた猫の涙は、
したたる絵の具となり、
ジェントルモンスターの絵筆と戯れた。

切実に生まれつづける絵々は、
唸り声と掻き鳴らされたギターのまにまに
うっとり身を委ねている。

「私たちの人生っていったいなんだろう」

これほどまでに雑音のないドキュメンタリーを
見たことがない。

内田也哉子