映画「かいじゅう」劇場上映記念『西村一成 作品展』

開催終了しました。
ご来場ありがとうございました。

日本唯一のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」での映画「かいじゅう」上映記念タイアップとして『西村一成 作品展』が開催されます。

OGU MAG+

10月3日(木)-20日(日)

OPEN:木曜—日曜、13:00—19:00(月曜-水曜休み)入場無料
東京都荒川区東尾久4-24-7
協力:ギャルリー宮脇、シネマ・チュプキ・タバタ


関連イベントとして、ブラインドコミュニケーターの石井健介さんと一緒に作品展を鑑賞するイベントが開催されます。(石井さんは2016年にある日突然視力を失い、現在はブラインドコミュニケーターとして活動中)

「見える世界」と「見えない世界」を繋ぐ石井さんと一緒に、他者の視点や対話を楽しみながら鑑賞していくイベントとなっています。

「西村一成 作品展」雑談型鑑賞会

10月5日(土) 各回1時間 ①13時30分~ ②15時30分〜 ③17時30分〜
展示の中から2、3点の作品を選び、会話をしながら鑑賞します。
鑑賞後はカフェスペースで振り返りを行います。

映画「かいじゅう」

シネマ・チュプキ・タバタ

10月1日(火)~10月15日(土)

公式HP(https://chupki.jpn.org/)
〒114-0013 東京都北区東田端2-8-4
TEL&FAX 03-6240-8480 水曜定休

西村一成ドキュメンタリー映画「かいじゅう」上映館拡大

東京・名古屋に続き、各地での上映が続々と予定されています。
是非ご鑑賞ください!

【横浜】シネマジャック&ベティ

9月7日(土)〜9月13日(金) 14:00〜15:50

公式HP(https://www.jackandbetty.net/)
〒231-0056
横浜市中区若葉町3-51
TEL:045-243-9800

【神戸】元町映画館

9月21日(土)~9月27日(金)

公式HP(https://www.motoei.com)
〒650-0022
神戸市中央区元町通4丁目1-12
TEL:078-366-2636

【東京】シネマ・チュプキ・タバタ

10月1日(火)~10月15日(土)

公式HP(https://chupki.jpn.org/)
〒114-0013 東京都北区東田端2-8-4
TEL&FAX 03-6240-8480 水曜定休

【大阪】シアターセブン

11月2日(土)~11月15日(金)

公式HP(https://www.theater-seven.com/)
〒532-0024
大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目7-27 サンポードシティ 5階

【京都】出町座

12月上映予定

公式HP(https://demachiza.com/) 
〒602-0823 京都市上京区三芳町133
TEL:075-203-9862


誰も入ったことない画家・西村一成のアトリエに、監督ひとりで一年間通い、カメラを回し続け、誰も見たことのなかった画家の創造と知られざるその半生を映した渾身作。

監督・撮影:伊勢朋矢
出演:西村一成
音楽:ロケット・マツ(パスカルズ)

*映画「かいじゅう」公式Instagra
kaiju_artmovie
https://www.instagram.com/p/C6LhUgSv5wj/

COMMENT

一成さんと僕が初めて会ったとき「午前中なら調子がいいから、大丈夫かもしれない」と一成さんは言った。夕方は苦手らしい。不安になるという。だから最初は「午前中の1時間くらいだけ撮影しましょうか。無理して絵を描かなくてもいいですよ」そんな約束をして別れた。
撮影初日、一成さんは絵を描かなかった。ただお互いの好きな音楽の話をした。僕も音楽は好きだが、一成さんはさらにマニアックだった。その日は気に入ったCDを1枚借りて帰った。帰りがけ「次はいつ来るの?」と一成さんが言った。2週間後にまた来る約束をして、その日は帰った。
2週間後。朝カメラを持って訪ねると、一成さんは縁側でタバコを吸っていた。猫の“ちくら”は一成さんの側でじっとしながら「なんだコイツ」と僕を見ている。一成さんはふぅーっとタバコの煙を吐くと、立ち上がり耳栓をしてから、巨大なキャンバスの前にゆっくりと歩いていった。そしてキャンバスの前に立ち止まると、長い間黙って宙を見つめている。「何が起きるのだろうか?」突如、一成さんが絵筆を握り立ち上がる。唸り声を上げながら、アクリル絵の具をたっぷりとつけた筆をキャンバスに叩きつける。なんだかわからない模様がキャンバスに現れる。一成さんは唸り声を上げて、何度も何度も絵筆を振るう。夢中になって撮影していると… いつのまにか、キャンバスには「顔」のようなものが浮かびあがり、その目は僕をじっと見つめていた。「お前が俺を撮るように、俺もお前を見ているぞ」と言っているようだった。一成さんが家族以外に創作の現場を見せたのは、この日が初めてだったという。
あれから1年、僕は西村家に通い続けた。午前中1時間だけの撮影は、2時間3時間…と伸びていった。2泊3日で撮影したこともあった。カメラはただただ回り続け、西村一成の日常は1本の映画になった。映画のタイトルは一成さんの甥っ子がつけたあだ名にした。

監督 伊勢朋矢


ISSEI画伯と伊勢監督の二人が、
深海へ潜るように心を通わせている。

片耳がちぎれた猫の涙は、
したたる絵の具となり、
ジェントルモンスターの絵筆と戯れた。

切実に生まれつづける絵々は、
唸り声と掻き鳴らされたギターのまにまに
うっとり身を委ねている。

「私たちの人生っていったいなんだろう」

これほどまでに雑音のないドキュメンタリーを
見たことがない。

内田也哉子